今年の35冊目・西澤保彦「ぬいぐるみ警部の帰還」

ぬいぐるみ警部の帰還

ぬいぐるみ警部の帰還

犯人あて小説「お弁当ぐるぐる」で衝撃デビューした、ぬいぐるみ大好きイケメン警部・音無の活躍を描く連作集。
ただ、「お弁当…」のときよりも妄想モードがやや抑え目だったのが残念。
あの「めくるめく妄想の世界」が、作品の魅力だったのに、何か少しガッカリ。
次回作があるならば、もう少しそのあたりをなんとかして欲しいなあ。

★★★(星3つ)

今年の34冊目・大山誠一郎「密室蒐集家」

密室蒐集家 (ミステリー・リーグ)

密室蒐集家 (ミステリー・リーグ)

本年度の本格ミステリ大賞受賞作。
難解な密室事件が起こると、どこからともなく現れて、事件を解決して去っていくという、謎の人物「密室収集家」を描いた連作集。
続編も構想中との事なので、時代も場所も飛び越えて現れる彼の、今後の活躍にも期待だ。

★★★★(星4つ)

今年の33冊目・塩田武士「崩壊」

崩壊

崩壊

大阪近郊の街で発生した市議会議長の殺人事件を捜査する、中年刑事とちょっぴりミステリアスな美人刑事のコンビを描いた、警察小説。
デビュー作「盤上のアルファ」を読んだときに、この人の書くミステリが読みたいな、と思ったので、念願が叶いました。
作品ごとに違うテーマと作風を見せてくれる作者の、次回作が早くも気になってしまう。

★★★★(星4つ)

今年の32冊目・森見登美彦「聖なる怠け者の冒険」

聖なる怠け者の冒険

聖なる怠け者の冒険

宵山祭のとある一日に巻き起こった、ローカルかつ壮大でファンタジックな冒険譚。
ファン待望の一冊で、森見ワールドをたっぷり満喫出来ました。

★★★★☆(星4つ半)

今年の31冊目・西澤保彦「必然という名の偶然」

腕抜探偵が活躍する櫃洗市を舞台にした、連作短編集。
巧みな伏線と、個性的なキャラクターの、いつもの西澤ワールドだ。
大富豪探偵は、今後もシリーズになるのでしょうか?

★★★☆(星3つ半)

今年の30冊目・七尾与史「山手線探偵2」

山手線探偵2: まわる各駅停車と消えた初恋の謎 (ポプラ文庫)

山手線探偵2: まわる各駅停車と消えた初恋の謎 (ポプラ文庫)

オフィスを持たず、山手線の車内で活動する名探偵を主人公にした、シリーズ第二弾。
前作のあのラストからどう繋がるのかと思ったら…ううむ、ちょっとガッカリ。
肝心の謎解きも、結構ありきたりだったし、果たしてシリーズの続編を出す必要があったかが甚だ疑問。
…ううむ、七尾さんは好きな作家だから、ついつい辛口になってしまうなあ。

★★★(星3つ)

今年の29冊目・越谷オサム「金曜のバカ」

中高生を主人公にした話を集めた、越谷オサムの短編集。
どれも若さ故のバカさと甘酸っぱさにあふれていて、自分の学生時代を思い出してしまう話ばかりだ。
今、青春小説を書かせたら、この人が一番上手いかもしれない。

★★★☆(星3つ半)