今年の02冊目・皆川博子「開かせていただき光栄です」

18世紀のロンドンを舞台に、解剖学教室に突如現れた死体の謎を、解剖医とその弟子たちが解き明かす、本格ミステリ
ラストの展開はある程度予測はできたのだが、それでもその面白さには全く影響なし!!
敵役(?)の判事がいい味出してるんだよなあ。
作者の皆川さんは、「この作品が本格ミステリなのかどうかは判りません」と仰っていましたが、これが本格じゃなかったら、本格ミステリなんてどこにも存在しませんよ、皆川先生!!

★★★★☆(星4つ半)

今年の01冊目・中山七里「追憶の夜想曲」

追憶の夜想曲

追憶の夜想曲

弁護士・御子柴シリーズの最新作。
金と勝利のためなら、手段を厭わない悪徳弁護士の御子柴が、到底金になりそうもない、しかも勝ち目のない裁判の弁護を引き受けた理由とは?
衝撃の事実が発覚した前作を凌ぐとも言える、見事な結末。
ああ、更なる続編が待たれてならない。

★★★★(星4つ)

今年の53冊目・似鳥鶏「戦力外捜査官」

ドラマ化される前に読んでみた。
ううむ…可もなく不可もなくってとこかな。
主人公の千波のキャラ設定もまあありがちだし、さほどそのキャラクターが生きるような展開でもないし。
なぜに続編が出たかがイマイチ判らない作品だなあ。

★★★(星3つ)

今年の52冊目・相沢沙呼「卯月の雪のレター・レター」

卯月の雪のレター・レター

卯月の雪のレター・レター

少女を主人公にした、相沢沙呼の短編集。
フトモモなしでも、ちゃんとしたミステリ書けるじゃんww

★★★☆(星3つ半)

今年の51冊目・垣谷美雨「七十歳死亡法案、可決」

七十歳死亡法案、可決

七十歳死亡法案、可決

医療費と年金問題を一気に解決すべく、「日本全国民は七十歳で死ななければならない」という法案が可決されたことによる人々の困惑と奮闘を、老人介護に悩むとある家族を通して描かれる。
架空設定小説の名手らしく、無理な状況でも違和感なく読ませるのは流石だ。

★★★★(星4つ)

今年の50冊目・深緑野分「オーブランの少女」

オーブランの少女 (ミステリ・フロンティア)

オーブランの少女 (ミステリ・フロンティア)

少女にまつわる話を集めた短編集。
壮大な歴史を背景に描いた表題作や「氷の皇国」も面白いが、短いながらも日常の謎を主人公のモノローグたっぷりに紡いだ「大雨とトマト」がベスト。

★★★☆(星3つ半)

今年の49冊目・道尾秀介「鏡の花」

鏡の花

鏡の花

登場人物は同じだが、微妙に境遇の違う話が連作で続いていく。
果たして、その意味とは?
ラストまで計算されつくした、ミステリ&ファンタジーの道尾マジックだ。

★★★★(星4つ)