今年の48冊目・辻村深月「島はぼくらと」

島はぼくらと

島はぼくらと

離島に暮らす男女高校生四人の悩みや成長を綴った青春ストーリー。
辻村さんも、今やすっかり人間ドラマの書き手だなあ。
でも、そろそろガッツリとしたミステリもまた読んでみたいなあ。

★★★☆(星3つ半)

今年の47冊目・原宏一「かつどん評議会」

かつどん協議会 (集英社文庫)

かつどん協議会 (集英社文庫)

原宏一のデビュー短編集。
かつどん好きを見込まれて、行きつけの食堂の代表として「かつどん評議会」なる集まりに参加させられた主人公の奮闘を描く表題作も面白いが、今映画で話題(?)の「謝罪ビジネス」を題材にした「メンツ立てゲーム」が素晴らしい。
原宏一の描く、実際はありえないのだが、妙なリアリティのある話作りは、デビューの頃から健在だったんだなあ。

星4つ(★★★★)

今年の46冊目・太田忠司「ミステリなふたり a la carte 」

お馴染みの美人ツンデレ刑事妻と、名探偵イラストレイター夫コンビの連作ミステリ。
相変わらずのテンプレミステリですが、この二人の掛け合いが微笑ましくて、ついつい読んじゃうんだよなあ。
果たして部下達に景子の裏(表?)の顔がバレる日は来るのでしょうか??

★★★☆(星3つ半)

今年の45冊目・有栖川有栖ほか「0番目の事件簿」

0番目の事件簿

0番目の事件簿

今をときめく有名ミステリ作家が、作家に(有名に)なる前に書いた習作集。
素人時代の作品とはいえ、どれもなかなかの逸品揃い。
我孫子さんのが、馬鹿馬鹿しくって面白かったなあ。

星4つ(★★★★)

今年の44冊目・東川篤哉「ライオンの棲む街 平塚おんな探偵の事件簿

赤茶色の短髪をなびかせる武闘派女探偵エルザと、高校時代からの親友で天然ボケ助手の美伽の美女コンビが、平塚の街に巻き起こる謎の数々を解き明かす、東川さんの新シリーズ。
さりげなく含ませる謎解きの伏線も、ちりばめられたギャグのスベり具合も、正に東川作品の王道的作品でしょう。
エルザの生足の表現が、さりげないのがまたいい。これがしつこいと、どこぞのフトモモ大好きマジシャンになってしまうからww

★★★★(星4つ)

今年の43冊目・加納朋子「はるひのの、はる」

はるひのの、はる

はるひのの、はる

ささらシリーズの最新作にして完結編だが、単独の作品として読んでもOK。
時間軸を上手く描いた、美しい謎解きとファンタジーの融合は、相変わらずお見事。
ご病気以降、加納さんの新刊が読めるというだけでも、もう感涙ものなのです。
モチロン、菊池健あらため十日町たけひろさんのイラストも、言うに及ばず素晴らしいです。

★★★★☆(星4つ半)

今年の43冊目・桜庭一樹「桜庭一樹短編集」

桜庭一樹短編集

桜庭一樹短編集

桜庭一樹としては、連作以外の初めての短編集。
どの話も、相変わらずの切れ味鋭い感性と表現力が素晴らしい。
名作「青年のための読書クラブ」のプレ短編的な話もあって、ファンには嬉しい一冊です。

★★★★(星4つ)